山田温泉〔保存版〕②

今日は天然温泉について

掘り下げて話そうと思います


山田温泉に注がれている湯は

2種類の源泉を混合して

温泉街まで引いているのは

ご存じのとおりです

上部の「わなば源泉」は

泉温80.5℃ pH 6.7

含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉

硫化水素型に属してます

〈以下辞典より抜粋〉
硫黄泉の条件は総硫黄(硫化水素イオン+チオ硫酸イオン+浮遊硫化水素)が2mg/kg以上硫化水素の含有の有無により硫黄型と硫化水素型の2つのタイプに分類され、硫化水素イオン主体で、無色透明で無味無臭なのが硫黄型で、浮遊硫化水素主体で温泉らしい卵の腐ったような香りがするのが硫化水素型となります。硫化水素型は湧出時は無色透明で、酸化すると成分により白濁したりエメラルド色と変化する傾向があります。


わなば源泉の空気抜き口では

数日で写真の様になります

一方1km下流にあるのが「元湯源泉」

泉温59.4℃ pH 7.2

ナトリウム・カルシウム-塩化物泉

凡そ6:4でわなば源泉の方が

湯量が勝っております

それを混合貯湯槽に一旦入れ

そこからは太い本管一本で

温泉街へとやってきている

またどの場所においても

送湯管は動力などを使わずに

勾配を保ち自然落下による為

停電の際でもお湯が送られてくる

ただ唯一 元湯源泉は

コンプレッサーによる

エアリフタ―方式を使っているので

有事の際は6/10ほどに減少する


こうして届けられた温泉は

分湯升といって

27口ある円形の容器から

1口数十万円/年の権利を得て

各旅館施設へと流れていく

現在ではこれを

23口に均等分配している為に

この小屋に出入りできる人間は

我々湯守ということになる

めっちゃ重要でデリケートな聖域です


そしてこの分湯升では

どんなに寒い冬であっても

64~5℃の湯温があり

一口10L/分以上の湯量を

確保することが使命なのだ

例えば共同浴場「大湯」は

6口引いているので

各3口づつ男女の浴槽へと

注がれることになるが

あらかじめ加水して

温度調整を行っている為に

もう少しかさ増しになっている

「滝の湯」は1口なので

男女で各1/2口の

各5L/分程度の湯量となる

そして最も大切な部分

それを貯める浴槽の容積と

整合がとれているのか?!

それがとても重要な部分です

そういった観点で言えば

滝の湯の浴槽は

もう少し大きくてもOKなんでしょう

でも個人的には

あの大きさが好きです



さて

現在の日本では大きく成分別に

10種類に分類分けをしている

①単純泉
②二酸化炭素泉
③炭酸水素塩泉
④塩化物泉
⑤含よう素泉
⑥硫黄塩泉
⑦含鉄泉
⑧硫黄泉
⑨酸性泉
⑩放射能泉

山田温泉の混合された

貯湯タンク内の分析結果は

④塩化物泉の中の

ナトリウム・カルシウム-塩化物泉

と分類される

けれども

ちょっと疑問なのが

わなば源泉は硫黄を含んでいる

そして

元湯源泉より湯量は10~15%

多く送られているにも関わらず

混合することで消えてしまうのか?!

化学反応とはそういうものなのか?

勉強不足なのでそのへんは

私は説明できないのだけれど

限りなく硫化水素型寄りと

言えるのではないかと思っている

だって硫黄臭するよねぇ

皆さんはどう感じてますか?


そうはいっても

ただただ罰ゲームの様に

熱さに耐えてるだけって人も

多いのではないかと思いますが

そのうち

この熱さがクセになるんだよねぇ

でも疾患などへの配慮も必要なので

必要以上の無理は危険です

そんな方は素直に

「大湯」へ行ってください


宿から歩いて数歩

そんな立地と

山の恵に感謝しながら

可能な限り空気に触れさせない

高鮮度と高濃度の温泉

その湯を蓄える木の深い浴槽

山田の人間が昔からこだわる

情緒ある侘び寂び温泉が

「滝の湯」には残っていると思う


ある常連さんが言う

今シーズン同級会がありその際

東北各地の温泉を沢山入ってきた

温泉の質の高さにも

変化にとんだ温泉文化にも

驚きと共に感動した様子でした

それでも

山田の湯はイイ湯ですよ!と

同じことをArita君も言ってたけど

恥ずかしながら

実は私もそう感じている

温泉が好きで

全国各地の湯に浸かっているけど

『山田は悪くない!』

そう感じているのは

私だけじゃなかったのだと

嬉しく思ってしまう



長くなりましたが

もう少し続けようと思う

天然温泉は大地の恵みである

地下に浸透していった水が

マグマに熱せられて熱くなり

地面から掘り出せば温泉となる

その地層に硫黄分が多ければ

万座の様に白い湯(硫黄泉)となり

太古の落ち葉が堆積した地層なら

北海道十勝地方に多い

茶褐色のモール泉となる

また日本には掘削せず自噴する

そんな温泉も沢山存在する

そしてその中でも

浴槽の下から自噴する

足元湧出温泉がある

そしてその温度が適温だという

まさに奇跡の温泉があるのだ!

例えば

酸ヶ湯温泉のヒバ千人風呂の熱の湯

奥奥八九郎温泉

法師温泉 長寿館の法師乃湯など

私はそのすべての温泉に入る事を

生涯の目標としているが

まだまだその半分ほどしか

入れていない ( ;∀;)

興味のある方はR66の本棚に

それに特化した温泉を紹介した

雑誌が幾つか置いてますので

手に取ってご覧ください

ちなみに言っておきますが

それら奇跡の温泉は

まず混浴が当たり前です

だって考えてみればそうでしょ

源泉が足の下なんだからネ

そうそう

鹿児島県の一軒宿

湯川内温泉かじか荘は

特に印象に残っている

ホント素晴らしい湯でした!


まぁそんな奇跡の温泉話は

またの機会にするとして

掘削(ボーリング)の話

地下には温泉の脈というのがあって

その脈違いの場所をいくら掘っても

温泉は出ませんが

運よくその場所だったとして

浅ければ水

深く掘り進めることで温度は上がる

その分工事費も膨れ上がる

どんどん掘っていく

そして狙った温度になったら

そこで止められればGood

しかし

そこを過ぎたまま掘り進めると

高温になりすぎてしまう

そしてついには蒸気となり

水を加えることで温泉にする

蒸気温泉になってしまう

ちょっと違いがあるけれど

近所では七味温泉や

箱根の大涌谷もその一例です

勘違いしないで欲しいんだけど

それが良いとか悪いとか

そういう意味じゃありません

蒸気温泉は水が必要です

そして調整管理が大変で

維持をするのにお金も掛かる

それなりのランニングコストが

常に伴っていきますし

危険度も増していきますので

私なら湯守は引き受けませんね

また

その地下水の浸透量と汲み上げ量

このバランスも重要で

動力を使いガンガン汲み上げると

しまいには温泉が枯れる

しかし地底の状況は見えない

なので誰もそれは分からない


井戸が地下数十メートルにある

山田温泉わなば源泉も

掘削した当時は380L/分の

湧出量があったと聞いている

それが数か月後には半減して

数十年経過した現在では

若干減ってはいるものの

その量をほぼ維持している

この例の様に

掘削時は地底からの圧力が強い為

湧出量は多くなるようだ



日本には多種多様な泉質があり

好みも人それぞれ

また利用の仕方も違うし

好む温度だって違うもの

だけど

一番大切で且つ重要なのは

「鮮度」です!!

いくら源泉の泉質が良くたって

入ろうとしている浴槽に

今注がれているその湯は

本当に貼られている分析表の

その成分量が注がれていますか?

私はそこが一番大切だと思う!!


温泉通を気取るなら

肌で感じて欲しいんです

温泉系ブログや動画サイトで

『ココの湯は〇〇泉でpH▽□

なので肌ツルツル

そして〇□も入っているので

飲めば胃にもいいです』

なーんて言ってますが

私はそんな数字的な事よりも

肌感覚に頼ることの方が

案外当たっている様な気がします

また

あそこの温泉が好き

とか

入ると体調いいとか

癒されるなど

五感で感じとれる能力で

十分なんだと思うんですよ

でも大丈夫です

山田の湯ファンの皆さんは

そういう感覚をすでに持ってます

鮮度が抜群のこの湯に

もう何度入ってますか?

皆さんの温泉肌センサーは

すでに優秀ですよ

なので成分の濃い温泉と

そうでないまやかし温泉の判別は

もう身に付いちゃってるでしょうね


今日はちょっと口説く

偉そうな言い方になってきましたので

このへんでやめておきます


つづく

山田温泉 滝の湯



今回の記事はどう?
  • イイネ (23)
  • 同感 (0)
  • 好きだなぁ (1)
  • ファイト (1)