2019北海道ツーリング③

6月24日(月)
3日目 利尻山 登山

 

時間は4:00を少し過ぎた頃

寝坊助の私が目覚める

ツーリング中のライダー心理

逆の立場から

お客様の気持ちがよく分かる

早朝のオロロンラインは誰一人おらず

どこまでも続く

まっすぐな道を独り占め

そして予報通り澄み切った快晴の青い空

 

そろそろ給油しないと

すでに100㎞は走っているカブ

そう思いながら走り続けたしっぺ返しで

オロロオラインの途中でリザーブになる

果たして稚内市内までもつのだろうか?

計算では稚内FTまでは持つ予定だが

燃費を考慮し法定速度付近で走る

その甲斐もあり

無事稚内市内に入った

間もなく「すき家」発見

今回も条件反射的にピットイン

給油の前に

自分の給油を優先した

今日はまぜのっけではなく

豚生姜焼き朝食¥400

登山に向け

体力と気合を注入するが為である

店員さんに紹介された

24時間営業のモダで給油を行い

朝一番のフェリーに乗り込む事が出来た

稚内ー利尻島(鴛泊)7:15発
大人2等自由 ¥2,500
荷物125㏄未満 ¥3,090

乗船前に登山用の水やおにぎりも購入済

ここまではすべて順調

計画通り物事が進んでいる

そして進行方向には雄大にそびえる利尻山

待ってろよー 利尻富士よ

2時間弱の船旅はあっという間

下船後一秒も無駄にしたくない気持ちで

信号待ち列の先頭へとバイクを進め

登山口の山麓キャンプ場¥500へ向かう

慌ただしく登山計画書を提出し

ライダーから登山仕様へと着替える

心配していたトレッキング靴も

しっかり乾いている

アプリのGeographicaを起動させ

バッテリー節約の為

機内モードにセットした

 

9:30 登山開始

事前調査では4:00~5:00には

登山を開始するのが常識らしい

明らかに出遅れているのは理解している

そんなはやる気持ちを抑えながら

視界の効かない草の中を歩く

昨夜の雨のせいなのか

登山道は大量の虫が飛び交っている

大きく呼吸するごとに

口や鼻に虫が入ってくる

バッグには防虫スプレーがあったのに

そっくり取出し忘れてきた

実は今回もザックを忘れました

準備しておきながら

最後の積込み時に忘れたのだ

それでも

準備不足や装備不足は否めない中

ひたすらと淡々と足を運ぶ

30~40分を過ぎた頃

少しペースが速いと感じ

意識して登るペースを遅くするが

リズムの掴めない登山道

知らず知らずのうちに

またオーバーペースとなり

1/3も行かないうちに

膝の内側上の筋肉が痙攣してきた

こんな事は今までに経験した事が無い

どうしちゃったんだろう?

自分のコンディションに

疑問と不安を抱きつつ

水分補給と休憩を頻繁に入れ

ゆっくりだけど

また一歩づつ先にすすめる

 

どうしたんだろう今日の俺?

こんなにも体力が落ちたのだろうか?

不甲斐なさを感じながら

それでも上を目指し

一歩 一歩 歩いた

絶対に登ってみせる

ただそんな意地みたいな

感情だけで登山をしていた

時々視界が開ける所があるものの

それ以外は全く視界の利かない

草と笹薮が続く登山道

正直言って楽しくない

そうこうしているうちに

登頂し下山してくる登山者とすれ違う

共通の趣味を持つご夫婦や

グループであったりと

趣味の仲間同士は楽しそうだ

 

8合目に辿り着くと

やっと広いスペースが広がり

山頂も確認できる

ここで昼食にする

 

 

年配の女性が声を掛けてきて

これから登るのですか?

水は大丈夫か?

2リットルって書いてあったけど

本当に大丈夫かと心配してくる

他の違う女性も

遠慮しないで頂きなさいと忠告され

お言葉に甘えさせていただく

まったく情けない

アプリを確認すると

時間 2時間30分
距離 4.3㎞
最低高度 233m
最高高度 1,220m

聞くところによると

ここから山頂は2時間は必要との事

今の日没は19:30頃なので

ぎりぎり明るさがあるうちに

下山できる計算にはなる

 

あまりに軽装な私を心配し

他の下山者から地図や食糧など

分け与えて頂く

はて どうしたものか?!

行くべきか

ここで戻るべきか

じーっと山頂を見つめていると

東の空から大量の霧が発生してきた

やっぱり登山は午前中が大原則だね

今日の体調も考え

今回は8合目で断念する事にした

IQOSを吸いながら

もう一度山頂を目に焼き付け

下山をはじめた

 

半分ほど下山した辺りで

一組の若いご夫婦とすれ違う

これから登るのか?と伺うと

そうだと言うのだ

私と同じフェリーで上陸し

テントを設営してから登り始めたと言い

暗くなるけど大丈夫か伺うと

夜になる事は覚悟の上で

ヘッドライト等防寒も準備してある

今日しか日程が取れず

旦那さんは仕事明けの徹夜だという

マジかよ!

 

 

麓まで下り下山届けを提出

管理人から戻ってきたのか

そうー 8合目までです

そんな会話をしながら

じわじわと情けなさが襲ってくる

段々畑の様なサイトの

良さそうな場所にテントを設営し

温泉&買い出しへと向かった

 

風呂に入っていると

先程地図など頂いた男性と遭遇

戻ってきたのか!

でもいい判断だと思うよ

そう慰めて頂きホッとした

『やっぱり登山は楽しくなきゃね』

確かに私もそう思う

今回の挑戦は失敗だった事を

次に生かそうと自分を納得させた

 

 

FTに隣接する食堂に入り

メニューを眺める

利尻島は「山とウニ」と聞くが

この店のウニ丼は

高価すぎてちょっと手を出せない

「利尻海藻ラーメン」¥1,200

前席の青シャツさんは

サクッと登頂された方で

途中すれ違った強者

やっぱりしっかりとした装備だ

見習わないとね‥

 

 

陽が落ち徐々に暗くなり始めても

パラパラと下山してくる姿が見える

老夫婦であったり

単独の登山者だったりと‥

登山道の脇にあるキャンプ場なので

そんな姿を見る事ができる

ある山ガールは

ゲートの前で振り返り

深々と一礼をしている

そしてもう一度礼をして立ち去った

美しいその仕草を目にして

おじさんちょっと感動しちゃったよ

翌日管理人さんから聞いた事だけど

山頂で一夜を明かした

山ガール2人組も居たようです

 

さて計画では

もう1泊利尻島に泊まるはず

だが天気予報がかなりずれ

明日までが晴れマークとなっている

明日もう一度アタックする気は無いので

予定を早め礼文島へ渡る事にする

 

Wi-Fi 環境のあるキャンプ場なので

iPadとスマホそしてマップルを眺め

週間天気予報も考慮しながら

この先のルートを練り直す

当然明日の見所なんかも抑える

今回は

帰りのフェリーも取ってないので

この先も自由と言えば自由な

気ままなカブツーリングなのである

なので実はスマホのナビ機能を

一切使っておらず

道路標識と案内看板

そして頭の中の地図と記憶だけで

ツーリングを進めている

ゆっくりなスピードなので

できる技なのかも知れない

 

疲労も手伝い

ロング缶二本で酔い

少しずつ眠気がやってきた

そろそろ寝ようかと思うが

辺りはまだ薄明るい

それでも体は疲れているはずなので

今宵は早めの就寝

リセットして明日を迎えたい

だけど聞いて

小樽行きフェリーからずーっとつまんでる

このあたりめって

めちゃコストパフォーマンスいいじゃんか

なんだか笑えてくる

明日は明日の風が吹くさ!

 

 

 

 

6月25日(火)
4日目 利尻島 周遊

 

遮光性能がないテントは

陽が昇れば当然明るい

その為早々に目覚めてしまう

ところが体が重い

特に腿あたりから下が

重度の筋肉痛になっている

翌日にこうなるってことは

まだ体が若いって事ではあるけど

歯磨きと顔を洗う為

炊事場へ行くにも

ぎこちない歩き方になり

何とも恰好が悪く

90歳のおじいちゃんの様だ

 

まだまだ時間が早いので

iwao夫人直伝のメットケアを行う

赤ちゃん用おしりふき(30枚入り)で

メットの内側を丁寧に拭き

詰め替えたファブリースで消臭

これをやっておくと

ヘルメットは常に清潔&快適なのだ

 

連泊するかも知れないと

管理人さんに言っていたので

泊まらず礼文に渡る事にした旨

説明・挨拶をしてから

島を時計回りに走り出す

 

セイコマでモーニングCoffeeをしていると

隣に利尻昆布直売所がある

覗いてみると確かに安い

ツマミに代用もできる

根の部分×2袋と小さな小袋を購入

しかしバイクに跨る時

キックでエンジンをかける時

筋肉痛でマジしんどい

今日ほどセルが欲しいと思ったことは無い

オタトマリ沼 奇跡の眺望

島の南側は雲が掛かりやすいのか

太陽が隠れ肌寒い

 

人面岩??

何だなんだ

昔そんなのが流行った時期もありましたが

一応見ておくことにする

 

オリンパスOM-D5Ⅱ

防水防塵のタフなデジイチだけど

落下だけはダメです

足を引きずる様な歩き方の為か

肩からスッと落ちてしまい

フィルターを割ってしまった

おまけに変形して外せない

あぁぁー ショックです‥

人面岩なんか撮ってる場合じゃなかった(+_+)

 

カメラを壊してしまったショックが

ずーっと頭から離れぬまま

島一周を終えようと思ったが

利尻山の代わりに

ひょっこりひょうたん島を登る事にする

筋肉痛の緩和にもなるだろうし‥

展望台で休んでいると

礼文島行きのフェリーが入江に入ってきた

そろそろFTに向かいましょうか

 

でもショックです

後悔先に立たず

 

鴛泊ー礼文島(香深)15:30発
大人2等自由 ¥910
荷物125㏄未満 ¥1,530

最終便にて礼文島を目指す

 

今の時期

礼文島は花が咲いて綺麗だと聞く

その為にOM-Dを持ってきたと言っても過言ではない

しかし上陸前に壊してしまったこと

草むらに落したはずだったのに

なんであそこだけ石があったのか

悔やんでも仕方ないけど

慎重に扱わなかった自分が悪い

現実を受け入れ

前向きに旅を続けるとします

 

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