ふらっとキャンプツー・・

平日 ライダーハウスの予約が途切れた

副業のシフトも安定し うんまく空き時間がとれた

「そうだ! キャンプに行こう」

 

そろそろ欲求が爆発しそうだ

バイクが変わり 装備の点検にもちょうどいい

「何処へ行こう?」

とりあえず富山県あたりに・・

適当な場所で野宿もありだ

冒険号のパニアケースに小物をセットし

大物はインナーバッグに仕舞ってあるので入れ込むだけ

おっと危ない シェラフを忘れるところだった・・

もう一度アレに コレに 指差し確認して飛び出した

 

 

急ぐ必要もないので 空いた一般道を北へ

海に出て今度は向きを西へ進める

海沿いのR8はトラックや営業車 それに一般車両でペースが上がらない

名立ICから高速道路にあがり 魚津ICで降りる

 

 

魚の駅「生地」で食材を調達しよう

近くに園家山キャンプ場があったはず 確か無料だった

「いかん それなら通り過ぎているじゃないか」 無計画だから仕方ない

今日は色々試したい機材を積み込んできたし時間もある

 

焼き物と刺身がいいなー

「お兄ちゃんお土産かい?」

「いいえ これからキャンプです!」

「なら食べやすいように下処理しとこうか?! 普段はしないけど・・」

「お願いします」

 

 

 

コンビニで冷えたビールと酒 そしてチキンラーメンを買い

間も無く目的地のキャンプ場に到着

時間は14時をすこしまわった頃だ

手続き後ささっとテントの設営を済ませ 夕食の準備に取り掛かる

 

 

 

ここの売りは無料にも関わず 立山連峰の湧き水が自由に使える所

しかも冷たく綺麗

 

 

 

松ぼっくりや木を拾い集め 運がイイ事に消し炭まであるではないか

ファイアースタンドで火種を作りながら

A4君には落ち葉の上に炭を乗せ 焼き物の為の準備をした所で

日本海の刺身をツマミにビールを開ける

 

「こんな時間から飲めるなんて しあわせだなぁ~」

こんな日もあっていいだよ!!

名前を忘れてしまったが 赤っぽい魚を焼き

刺身と焼きでつぶ貝に手を付けていると

一人のライダーさん そして間も無くチャリダーさんが到着

 

軽く会釈を交わすが 今夜はひとりで居たいので

それ以上の事はせず まったりした時間を楽しむことにする

少し無理をすればポットにチキンラーメンが入る事を知る

 

洗い物が減る事はイイことである

日が暮れる前に洗い物を済ませるとしよう

 

「なんだ 浮浪者の様なこの汚ったねぇじじいは・・」

チャリダーの旅人だった 年の頃は60代

話し掛けられ ちょっと煙ったい感じもしたが

話しをするうちに旅の達人だと判る

昔から旅が好きで 四輪で日本一周を終え

今度は離島めぐりをはじめるが 四輪のフェリー代金は高い

そこで港からは自転車で渡ったのが始まりで

離島めぐりの次は 自転車で自走の旅を続けている

 

今回は能登半島一周を終え これから佐渡島に渡るという

もう年なので 一日70km~90kmを目安にしていると言う

だんだんこの浮浪者(失礼)が 立派に見えてくるので不思議である

穏やかな表情で 物腰のやさしい会話は楽しいひと時となった・・

 

 

一段落後は乾物等で二次会

夕陽が海に落ちていく・・

 

「今日も太陽は海に落ちないな!」

先程の達人が寄ってきた

「ここ何日も陽が海に落ちんのだよぉ」

「でも 今日の海は穏やかだのぉ」

なんで分るんだろう この人は?

辺りが完全な暗闇になる前 俺は眠りにおちた

 

 

早朝 カラスと同じく目が覚める

 

もう一晩泊ろうか?!

しかしそんな準備もして来なかったので 諦めて帰り支度をする

遠くから彼に軽くお辞儀をしバイクに跨った

日本には人知れず 旅の達人が沢山いるもんだ・・・

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