ヤブ医者

『おはようございます

今日はどうされましたか?』

『だるくて下痢がひどいんです』

『一応体温を計ってください』

『。。。。。。』

『34.6℃ ちょっとおかしいですね

もう一度お願いします』

『。。。。。。』

『34.6℃ですねぇ

お呼びするまでお待ちください』

しかし

34℃って生きてる人間の体温かよ‥

 

3月末で定年退職する村の名医

私は愛をこめてヤブ医者と密かに呼んでいる

とても寂しい限りだ

待ち時間とも呼べないタイミングで

診察室から名前を呼ばれる

『いつからですか?』

いつもこうなのである

先生にとって不要な会話は必要無い

暇な村の診療所なので

そんなに急ぐ必要はないのに

決まっていつもこうだ‥

『昨日の深夜から胸やけと吐き気

そして下痢がひどく怠いんです』

『今もですか?』

『はい ずーっとです』

『はい ありがとうございます』

うつむき暫く考え

『判りました

〇▽※□用意

ん~ん 2本にしよう』

と看護師へ指示を出す

『急性胃腸炎‥‥

そして脱水症状ですね!』

ホントかよ??

『先生インフルエンザの疑いは?』

『検査しましょうか?』

『・・・』

『私ならこの症状ではしません!

どうします?』

『では止めておきます‥』

『それでいいでしょう』

 

処置室へ行き横になる

胸部をねくり

聴診器をあてる

続いて腹部を露にされ

手でトントンと数ケ所叩く

あっけなく診察が終わり

看護師さんが服を直そうと

私の肌に触れた瞬間

『冷たいっ』とつぶやき

身体が冷えてますねぇ

と話かけられていたその時

右腕に点滴針を打たれた

おーい待ってよ

心の準備ってやつがあるだろうに

蜂の時もそうだけど

いつもいきなりなんだよなあ

でも

このヤブ医者の注射は痛くない

恐らく腕はいいのだろ

 

一本入れ終わる頃

ヤブ医者が顔を出し

『おー やっと血色が良くなった』

と ひと言呟き

また診察に戻っていった

村にはこんな医者が必要なんだと

俺は切に思うのだけれど

役場にはこんな声は届かない

定年は分かるけど

次の医者はいまだ決まっていないと言う

人気?!はないかも知れませんが

この先生を頼っている患者も多く

待たずに診察してもらえる医院って

絶対に必要だと思うんだよね

何だか感傷的な気分にひたりながら

点滴液の落ちる粒を見続けた

 

 

 

 

すっかり元気を取り戻せたので

スキー場へと向かう

うっかり診察を受けてしまった為

遅刻する連絡も入れられなかったので

恐縮した態度で出勤すると

スタッフからは

優しく 無理しないでいいよ

今日はもう帰りな

と遠回しに帰って欲しい感プンプン

インフル菌患者の様な扱いだ

でもここは有難く従うとする

点滴中にサーチしておいた

プランBの遂行の時だ

 

 

一目散に長野市内へ車を走らせる

やっと待望のQUEENとの対面だ

”20世紀フォックス映画公式チャンネル” より

フレディーのゴシップは知っていたので

ストーリーでの新鮮味は感じられないが

大画面と大音量で観聴きする

QUEENの音楽は心の奥まで沁みる

大満足

大感激

大納得の2時間だった

機会があったらもう一度来よう♪

 

以上 60日勤務の末の

極めて個人的な体調不良の報告でした

気温差の大きなこの冬

皆様も体調管理には気を付けてください

 

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